2021年JFNカレンダー11月特集ページ
11月6日はマムの日です
11月6日はいいマムの日です。
お供えのお花としての印象が強いと思いますが、マムは色も豊富で日持ちもとても良いお花です。
日本の秋を象徴するお花ですので、ご自宅用にも、贈り物としてもおすすめしたいお花です。
カラフルなマムと紅葉の枝物で、しっとりとした秋の雰囲気の中にも華やぎを感じられるように、贈り物にふさわしい雰囲気でデザインしました。
デザイナーズアレンジ リンドウのアレンジ
デザイナー紹介
新井 哲生(TETSUO ARAI)
(有)花の安達日香園 代表
1976年生まれ。大分県大分市出身。大正15年創業の花屋の家に生まれる
京都市にて華道家元、池坊御用達の花屋で修行のちに家元御用掛を勤める
大阪市の花屋などで経営などを学び、家業を継ぐために大分に戻る
2020年(令和2年)9月より家業4代目を継承
賞歴
ジャパン・フラワーネットワーク全国技術選手権大会 技術部門最優秀賞 農林水産大臣賞
ジャパン・フラワーネットワーク全国技術選手権大会 装飾部門最優秀賞 厚生労働大臣賞(2大会連続受賞)
ハウステンボスワールドフラワーコンテスト 薔薇の装飾部門 最優秀賞第1位
お花をとおして、すべての人に笑顔を届けていきたい!そんな想いで毎日お花と向き合っています。
11月のコラム
マムと菊の違いはどこでしょう?違いが解るあなたはもうお花マニアかも!?
A.何にも違いはない!
といってしまうとまったく元も子もないのですが(笑)
どこをどうひっくり返しても同じものなのです。
しかしながら、花業界ではマムとキクを分けるのです。
どこをどうして分けるのか?
とりあえずその疑問はひとまず置いておくとして。
もともと「キク」は「クリサンセマム(chrysanthemum)」を略して愛称として「Mum(マム)」と呼ばれるようになりました。
ヨーロッパではマムは当たり前のようにしてお祝に使われます。
オーストラリアでは母の日に語呂が似ているからということで、「Mom(母)」に「Mum(マム)」を贈ろう!という習慣があるようです。
日本のような葬儀の花というイメージがないですから。
それではなぜマムとキクをわけるのでしょう。
その前に、どういう定義なのでしょうか?
どうやら、キク類から輪ギクと小ギクを引いた残りのものをマムと呼ぶようです。
すなわち葬儀・仏花の1輪ギクや小ギクは除くキクを、オシャレで普段使いのできるマムとして区別しようということなのです。
ですから、茶系の1輪マムや、ピンポンマム、色とりどりのスプレーマムがマムということになります。
近年では大輪の1輪マムで、ディスバッドというものもあります。
大きな1輪を咲かせるために、脇から出た芽をとって仕立てます。
そこから、Dis(取り除く)Bud(芽)=Disbudと呼ばれています。
この違いが分かればもう、あなたは花マニアです(笑)
高貴な花、おめでたい花
日本でキクといえば、天皇家の御紋でもありますが、古くは中国から伝わったといわれています。
元々は非常に珍しく高貴な花でした。
そして、長寿の花でもあるということで、貴族文化の中で、重陽の節句などでも愛でられました。
それが江戸時代にはかなり品種改良が進み、好事家のものとなりました。
輪の大きいもの、輪の小さいもの、花弁の糸状のもの、花火のようなものなど、
とても多くの品種が生まれました。
キクはとても高値で取引され、各地でキク祭りなども催されました。
葬儀だけじゃなく普段使いの花へ
キクはいつのころからか、葬儀の花として定着してしまいました。
生産性が高く、安定して供給できること、花持ちが非常に良いことなどが葬儀に向いていたのでしょうか。
香りの成分がなんとなく葬儀の会場を清らかにしてくれるような感じがするからでしょうか。
葬儀で使われるようになったのには、諸説あります。
しかも割と最近の出来事のようです。
もともとおめでたく、高貴な花のキク。
葬儀の花のように感じるのは極近年のことで、日本の伝統文化とは言えないのです。
長きにわたり、高貴な花、珍しい花、お祝の花として日本に根付いてきたキクの花も、マムという名前の下で、ふたたび皆さんに愛でていただけると良いですね。
そうそう、11月6日は「いいマムの日」に制定されました。
語呂的に1106でいいま(る)むと読みます。
9月9日は重陽の節句で「キク」を愛でて、菊酒を楽しみ、
お彼岸は「キク」をお墓やお仏壇にお供えし、
お月見でピンポン「マム」をススキと飾り、
11月6日は「いいマムの日」で「キク」ではなく、「マム」を楽しむ。
秋はキクからマムのリレーです。
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